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不倫研究サークル

第2章 人妻の誘惑

トイレで溜まっていた小便を放出していると、高橋が入ってきた。
僕の隣に立ち、モゾモゾしているかと思ったら、ジョボジョボ~と馬の小便のような勢いの水音が鳴る。

「どうだい、森岡君。 気に入ったマダムはいたかね?」

「ええ・・・・・・皆さん、お綺麗な方ばかりで、圧倒されてしまいました」

「ちょっと、刺激が強すぎたかな?」

「は・・・・・・あ」

「君の前に座っていた、生田さんだけどね」

「はい・・・・・・」
生田菜美恵《いくたなみえ》、僕の前に座った女性だが他の女性より少し大人しい感じだった。それに、見たところ彼女だけ二十代ではないかと思えるくらい若く見えた。

「彼女、こういう飲み会は初めてらしいんだ」

「僕と一緒ですね、僕も初めてだし」

「うむ、君は飲み込みが早いね」

「?」なんのことだか、僕には分からなかっった。

「君に、彼女のエスコートを頼みたい」

「ええーー、僕がですか!? いや、無理ですよ」

「まあまあ、やる前から『できません』なんて言うものじゃない」

「でも・・・・・・」

「いいか、アドバイスをやろう。 君は、彼女の話を漏らさず聞く。
彼女は、こういう場所は苦手だと、必ず言う。
そして君も、同じように『こういう場所は苦手です』と同調するんだ。
女性と仲良くなる秘訣、それは【同じ空気を作る】ことから始める事だ」

確かに、先ほど小梢とは問題なく会話できた。それこそ同じ空気がもたらす効果だったのではないか?

僕にも少しやれそうな気がしてきた。
「分かりました、やってみます」




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