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不倫研究サークル

第12章 女社長

洗濯が終わり、僕たちはアパートへと戻った。

「この時期だと、部屋の中に干していても朝までには乾くと思います」

コインランドリーで洗った服を、愛莉と一緒に干す。

「そ、それは、良いから……、わたしが干す」

「す、すみません……」

僕が手にしたのは、小さなショーツだった。愛莉が照れながら、僕から奪い取る。

「なんだか、こうやって一緒に洗濯物を干していると、夫婦みたいね 笑」

愛莉の何気ない一言に、僕はドキっとする。もし将来、僕が誰かと結婚した時、こうやって家事を奥さんになった人と一緒にするのだろうか? いや、そもそも、僕が結婚できるかも疑問だ。

でも、そんな時がきたら、きっと今日の事は思い出すだろう、と思った。

「今日、わたしって笑ってばかりだ」

「そうですね、やっぱり、川本さんは笑っていた方が可愛いです」

「また、お世辞~ 笑」

クスクスと笑うと、愛莉はまた僕を見上げる。

「なんか、森岡君といると、楽しい」


(あれ? これって……)


僕は、愛莉から空気を感じ取る。

僕を見上げていた愛莉が、目を閉じるのを合図に、僕は唇を重ねた。

二人とも、洗濯物を手にしたまま、唇だけ合わせ、舌を絡める。


唇を離すと、愛莉はトロンとした目をしていた。顔もアルコールのせいではなく、上気しているのが分かる。赤くなっていた。

「ご、ごめんさない。 こんなつもりじゃなかったのに……、今日は、ここまでで許して」

「はい、分かっています」

「もう一度、して」

愛莉はまた、目を閉じる。

僕もまた、唇を重ねた。


「森岡君って、キスが上手だね」

相変わらず、洗濯物を持ったまま、愛莉は僕の肩に頭を乗せた。

先ほどと同じ、石鹸の匂いがしたが、今度は甘美なものに感じられた。

「もう遅いから、寝ようか? 森岡君もシャワーを浴びてきなよ」

愛莉に促されシャワーを浴びて戻ってくると、愛莉はベッドの上に座っていた。

「床で寝ようかと思ったけど、ちょっと無理そう。 一緒にベッドで寝て良い?」

「ええ、川本さん痩せているし、このベッドでも二人で寝れると思います」

「それって、わたしのこと、貧乳って言ってない? 笑」

「そんな事ありませんよ 笑」


その夜、僕は愛莉と一緒に寝た。
しかし、陽菜の時とは違い、睡眠不足にはならなかった。




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