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不倫研究サークル

第13章 それぞれの道

「あの……、どういう事で?」

「森岡の家で一晩、一緒に過ごします。 ワタシの覚悟です」

女の子の覚悟と言えば、アレしかない。でも、本当に美栞と関係を結んでも良いのだろうか?

「ミカン先輩、念のために確認しますが……、覚悟って、アレですよね」

「森岡は、もう経験済みですか?」

「え……と、は……い」


「そうですか、なら安心です。 ワタシは初めてなので、この点においてはアナタが先輩という事になります」

(本気だ! ミカン先輩は本気でヤルつもりだ!)

「そ、そんな。 僕もたいした経験はありません」

久しぶりにドキドキが大きくなる。僕の目線は、自然と美栞の爆乳へ注がれる。

「森岡、本当に胸が好きですね。 アナタ、オッパイ星人ですか?」

「す、すみません……」

「まあ、良いです。 今度、この胸を好きなようにさせてあげます」

(ぶおおおーーー!)僕は心の中でガッツポーズをとった。


「では、いつにしますか?」

動揺を抑えつつ、僕は日程の確認をする。高揚感が半端なかった。

「では、八月の始め、一日でどうです?」

夏休みに入って間もない。その日は、家庭教師のバイトもカテマッチの運営の仕事も入っていない。僕は快諾した。


「それから、森岡は、ちゃんと避妊してくれますか?」

まるで、生徒が教師に質問するかのような調子で、美栞はきわどい事を尋ねる。

(こ、この人には、恥じらいというものはないのか!?)

「だ、大丈夫です。 それは、男の責任でもありますから」

「ありがとう、ワタシは今、絶対に妊娠できないので、それだけは気を付けてください」

たしかに、学生で妊娠でもしたら大変なことになる。僕は、綾乃の初体験の時、避妊具なしで交わった時の事を思い出した。幸い、綾乃に生理はあったが、もし妊娠でもさせていたらと思うと、後で背筋が凍る思いがした。

「森岡は、ワタシの事が好きですか?」

唐突な美栞の質問に、僕は、答えに窮する。

(僕は、美栞の事を好きなのだろうか?)

「あ、やっぱり良いです。 実験と言ったのはワタシなので、モルモットに気持ちを聞くのは間違った検証方法です」

相変わらず、モルモット扱いにされ助かったが、美栞のことが好きかと言うと、正直なところ微妙だと思った。


原因は彼女だ。彼女の存在が僕の中で大きくなっていた……。




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