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不倫研究サークル

第13章 それぞれの道

「それを、わざわざ、『長めの』とかさ、誤魔化してるとしか思えないよ」

「いや、これには事情があって……」

あからさまに不機嫌そうな顔をする、陽菜。

「新しいカノジョができたの?」

「いや、カノジョというのではなく、複雑なんだ」

僕は、観念して愛莉の事を話した。もちろん、佳那や綾乃の事は言えない。美栞のことも。

「変なの、カレシがいるのに圭とも付き合って、しかも、ワタシに無断でここに泊まってるなんて許せない、ビッチめ!」

なんで、僕の部屋に女の子を泊めるのに陽菜の許可が必要なんだ? と思うが、ここは流して話題を変える。


「それより、ビッグニュースってなんだよ?」

「まだ!」陽菜が怒りの目を僕に向けた。そして、ベッドの上で手を広げる。

「なに?」

「キスして、それから、Bも」

そう言うと、ベッドの上で腰をくねらせた。

「だから、ビーってなんだよ?」

「圭は、恋愛のABCも知らないの?」

陽菜は、僕に昭和の知識を教えてくれた。

「へ~、そんな言い回しがあるんだ、知らなかったよ、というか、陽菜はなんで知ってるんだ?」

「ん? ネットで恋愛のことを調べてたら出て来たよ」

要するに、耳年増、という訳のようだ。それにしても英語の教材じゃあるまいし恋愛をABCに例えるなんて、昔の人の発想は面白いと思った。

「ワタシ、キスされるの好きなの、お願い、して」

陽菜が求めるので、とりあえず、僕は唇を合わせる。

ひとしきり舌を絡めあった後、陽菜は目をトロンとさせて、今度は身体を擦りつけてきた。
僕はこれまでの経験で、それが、女性が求めている時の仕草だと知っている。

「陽菜、ビーは出来ないけど、それに近い事はしてあげる、それで我慢してくれる?」

陽菜は、上気した顔を、無言で縦に振る。僕は、陽菜のうなじ、手の甲、肌が露出している個所にキスを繰り返した。

その度に、陽菜は甘い吐息を漏らした。

「ねえ、圭。 ワタシ、高校生になったんだから、もっとして」

陽菜は、自らブラウスのボタンを外し、胸元を露わにする。

「ちょっ、なにやってんだよ」

「お願い、ここにもして欲しい」

「ダメだって!」

「良いじゃない、小梢さんはもういないんだし」

「え? どういう事?」

「あ……、しまった 笑」




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