不倫研究サークル
第14章 愛莉
「ちょっと、片付けるから待ってて」
僕は急いで食べかけの料理を冷蔵庫に保管し、とりあえず出かけられるだけの身支度を済ませた。
その間も、愛莉は辛そうにしている。本当にどうしてしまったのだろう? 僕の胸の中で不安が大きくなっていった。
愛莉の家は、僕の最寄り駅より更に郊外で、電車を乗り継いで30分ほどだ。
幸い、電車はそれほど混雑していなかったが、座れる状態ではなく、顔色の悪い愛莉を見るにつれ、やはり一人で帰らせなくて良かったと思った。
愛莉の家の最寄り駅に着いたが、愛莉は電車を降りると、ベンチに座り込んでしまった。
「愛莉、なにか飲みものを買ってこようか?」
「うん、お水をお願い」
愛莉に水を渡して、彼女が動けるようになるまで、僕もベンチに座って待った。
(もし、愛莉が酷い病気だったら、どうしよう?)
どんどん大きくなっていく不安に押しつぶされそうになるが、僕がうろたえていると愛莉まで不安になる。僕は、あえて明るい話題をふる。
「夏休みさ、僕の故郷まで旅行しない?」
愛莉は、さっきまで項垂れていたが、顔をあげて僕を見つめた。
「もしかして、家族に紹介してくれるの?」
「うん、僕の初めてのカノジョだってね。 きっと親が大喜びすると思う。 なにせ高校時代まで女の子に全く縁がなかったから 笑」
「笑 大学デビューして、二股三股かけてましたって、言いつけちゃおうかな」
「そ……、それは、内緒で 笑」
愛莉と付き合い始めて、僕は佳那、綾乃との関係を断っていた。もちろん、簡単にはいかなかったが、二人とも大人の対応をしてくれた。
綾乃とは、身体の関係は無くなったが、カテマッチの運営ではパート-ナーとしての関係は続いている。
「圭の故郷に……、行ってみたい……」
愛莉がつぶやいたが、僕は、過去に同じような情景に出会っている事を思い出した。
愛莉のつぶやきが、どこか悲しげで、それは江の島でデートした時の小梢を思い出させた。
(大丈夫だ。 あの時とは状況が違う)
僕は、愛莉までもが僕の元から居なくなってしまうのではないかと、言いようのない不安に襲われる。
僕は急いで食べかけの料理を冷蔵庫に保管し、とりあえず出かけられるだけの身支度を済ませた。
その間も、愛莉は辛そうにしている。本当にどうしてしまったのだろう? 僕の胸の中で不安が大きくなっていった。
愛莉の家は、僕の最寄り駅より更に郊外で、電車を乗り継いで30分ほどだ。
幸い、電車はそれほど混雑していなかったが、座れる状態ではなく、顔色の悪い愛莉を見るにつれ、やはり一人で帰らせなくて良かったと思った。
愛莉の家の最寄り駅に着いたが、愛莉は電車を降りると、ベンチに座り込んでしまった。
「愛莉、なにか飲みものを買ってこようか?」
「うん、お水をお願い」
愛莉に水を渡して、彼女が動けるようになるまで、僕もベンチに座って待った。
(もし、愛莉が酷い病気だったら、どうしよう?)
どんどん大きくなっていく不安に押しつぶされそうになるが、僕がうろたえていると愛莉まで不安になる。僕は、あえて明るい話題をふる。
「夏休みさ、僕の故郷まで旅行しない?」
愛莉は、さっきまで項垂れていたが、顔をあげて僕を見つめた。
「もしかして、家族に紹介してくれるの?」
「うん、僕の初めてのカノジョだってね。 きっと親が大喜びすると思う。 なにせ高校時代まで女の子に全く縁がなかったから 笑」
「笑 大学デビューして、二股三股かけてましたって、言いつけちゃおうかな」
「そ……、それは、内緒で 笑」
愛莉と付き合い始めて、僕は佳那、綾乃との関係を断っていた。もちろん、簡単にはいかなかったが、二人とも大人の対応をしてくれた。
綾乃とは、身体の関係は無くなったが、カテマッチの運営ではパート-ナーとしての関係は続いている。
「圭の故郷に……、行ってみたい……」
愛莉がつぶやいたが、僕は、過去に同じような情景に出会っている事を思い出した。
愛莉のつぶやきが、どこか悲しげで、それは江の島でデートした時の小梢を思い出させた。
(大丈夫だ。 あの時とは状況が違う)
僕は、愛莉までもが僕の元から居なくなってしまうのではないかと、言いようのない不安に襲われる。