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不倫研究サークル

第14章 愛莉

「ここなの……」

 愛莉に案内されたのは、古い団地だった。エレベーターはなく階段を上って三階の部屋に案内されると、中からテレビの音が聞こえてくる。

「ただいま~」

 愛莉が声をかけると、テレビの音が聞こえている部屋から「あれ~、今日は帰ってきたの?」と女性の声がした。

 声の感じから綾乃と同じくらいに感じる。

「ここに座って。 今、お茶を入れるから」

 部屋の作りは、2DKになっており、玄関に入ってすぐに小さなテーブルがあった。愛莉に言われテーブルに着く。

「愛莉~、お腹空いた~、何か作って~」

 そう言いながら、襖が開き、中からスケスケのキャミソール姿の若い女性が出てきた。

「わ!」
「わ!」

 女性と僕で、同時に驚きの声をあげる。

「スミマセン、スミマセン」僕はあわてて背を向け、顔を手で隠す。

「あ~、ビックリした。 愛莉、オトコを連れ込んでるなら、言ってくれりゃ良いのに」

「今日は休みなの?」

「うん、二日行って一日休み。 愛莉、最近家に帰ってないからワタシのスケジュール知らないでしょ」

 女性は、キャミソール姿のままテーブルに着いたみたいだった。

「愛莉、冷蔵庫からビール持ってきて」

「自分で取りなよ」

「ちぇっ、ケチ」

 冷蔵庫をゴソゴソと物色する音が聞こえたかと思うと、トントンとテーブルに何かを置く音がした。

「ねえ、君、いつまでそうしてるつもり?」

「は、はい、でも、その……」

「愛莉の貧乳を何時も見てるんでしょ? 女の裸なんて慣れてるんじゃないの?」

「貧乳は余計よ」愛莉もテーブルに着く。

「圭、恥ずかしがらなくて良いよ、この人、いつもこんな格好してるんだから。 わたしの母さん」

「えええーーー! 母さん? お姉さんかと思った」

「お、少年。 嬉しいこと言ってくれるね 笑」

「母さん、真に受けないで。 圭はお世辞がうまいのよ」

「なんだ、お世辞か、喜んで損した 笑」

 ケタケタと笑う愛莉の母は、どう見ても二十代後半にしか見えない。愛莉の姉と言われれば、誰もが信じるだろうと思った。

 目元が愛莉とそっくりで、少しキツメだが、綺麗な顔立ちをしている。髪が長い事を除いては、愛莉をそのまま年を取らせたような容姿だった。




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