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不倫研究サークル

第3章 初めてのカノジョは美少女

「そんなことまで話すんですね、今村さんって……」

僕は、菜美恵に少し好意を持っていたので、今村の言動が好きになれなかった。

「まあ、暇を弄んでる人たちだから、噂話が大好きなのさ。
お互いに、不倫を何回経験したとか、一夜限りの関係を結んだとか、そんな話で盛り上がっていたよ」

「でも、そうやって人妻から経験談をききだすのが『不倫研究会』の活動なんですよね」

「まあ、そう言う事になるかな」

一体、そんなことをして何の役に立つのだろう? と僕は思ってしまう。


「森岡君は、そういうの嫌いかい?」

「え、僕は……、よく分かりません」

「実は、僕もよく分かっていないんだ、2年間も活動しているのにね」

「岸本さんもですか?」

岸本が分からないんじゃ、僕に分かるはずがない。

「だけどね、森岡君、多くの人妻と関わることで、女性の扱いや、心理に触れることができる」

「はい……」

「それは、決して無駄にはならないと、僕は思うよ」

「……」

「ほら、最近の僕らの世代って恋愛をしないじゃない」

「そうですね、テレビや新聞で『若者の恋愛離れ』ってよく言ってます」


「だよね、僕は『恋愛をしない』じゃなくて、『恋愛ができない』んじゃないのかなって思うんだ」


はっ、として僕は、思わず岸本を見た。




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