不倫研究サークル
第5章 初デートはホロ苦く
「なんだか、竜宮城みたいな駅だね」
片瀬江ノ島駅は、まさに竜宮城と言った感じの駅だった。
片瀬江ノ島駅から江ノ島水族館までは歩いて10分くらいだ。僕たちは国道の方へ出て、海岸沿いを歩く。
微かだが潮の香りがして、海沿いで育った僕にとっては、ただただ懐かしかった。
故郷を出てまだひと月だと言うのに、田舎で過ごしたことがずっと昔に感じられた。
「ん~、潮の香りが懐かしいね~」
そう言うと、小梢は大きく息を吸い込み、目を瞑った。
(あれ? そういえば、小梢の故郷って何処だっけ?)
「あのさ、小梢の故郷も海の近くなの?」
「あ! 水族館だよ、圭君。凄い~大きいね。それにお洒落な建物~」
小梢は、僕の問いかけには答えず、僕の手を引くと水族館の方へグイグイと引っ張っていく。
どうやらテンションのスイッチが入ったみたいだ。
僕もワクワク感が増し、小梢の故郷の事など頭の片隅に追いやられてしまった。
なにせ僕は、こんな大きな水族館は初めてだからだ。最後に水族館に行ったのは、中学一年の時の遠足以来だ。それも、田舎の小さな水族館に。
◆◆◆
「うわ~、大きな水槽。ねえ、圭君、エイが泳いでる~凄い! たくさんいる!」
小梢は、エイを追いかけて水槽を右へ左へとスキップする。
水槽の中には多くの魚が泳いでおり、大きな体のエイはひと際目立っていた。
僕も、こんなにたくさんの魚が泳いでいる水槽を見るのは初めてだ。もちろん興奮している。
(なんか、良い雰囲気だ……。これなら、イケそうな気がする)
プラン通りに進むデートに、告白タイムは刻刻と迫っている。
僕は少し自信が湧いてきた……。
片瀬江ノ島駅は、まさに竜宮城と言った感じの駅だった。
片瀬江ノ島駅から江ノ島水族館までは歩いて10分くらいだ。僕たちは国道の方へ出て、海岸沿いを歩く。
微かだが潮の香りがして、海沿いで育った僕にとっては、ただただ懐かしかった。
故郷を出てまだひと月だと言うのに、田舎で過ごしたことがずっと昔に感じられた。
「ん~、潮の香りが懐かしいね~」
そう言うと、小梢は大きく息を吸い込み、目を瞑った。
(あれ? そういえば、小梢の故郷って何処だっけ?)
「あのさ、小梢の故郷も海の近くなの?」
「あ! 水族館だよ、圭君。凄い~大きいね。それにお洒落な建物~」
小梢は、僕の問いかけには答えず、僕の手を引くと水族館の方へグイグイと引っ張っていく。
どうやらテンションのスイッチが入ったみたいだ。
僕もワクワク感が増し、小梢の故郷の事など頭の片隅に追いやられてしまった。
なにせ僕は、こんな大きな水族館は初めてだからだ。最後に水族館に行ったのは、中学一年の時の遠足以来だ。それも、田舎の小さな水族館に。
◆◆◆
「うわ~、大きな水槽。ねえ、圭君、エイが泳いでる~凄い! たくさんいる!」
小梢は、エイを追いかけて水槽を右へ左へとスキップする。
水槽の中には多くの魚が泳いでおり、大きな体のエイはひと際目立っていた。
僕も、こんなにたくさんの魚が泳いでいる水槽を見るのは初めてだ。もちろん興奮している。
(なんか、良い雰囲気だ……。これなら、イケそうな気がする)
プラン通りに進むデートに、告白タイムは刻刻と迫っている。
僕は少し自信が湧いてきた……。