秘蜜のバイト始めました
第1章 え? 聞いてませんが?
「すみませ~ん、ちょっ~と、お話しをさせていただいてもよろしいですか?」
昼下がりの渋谷、平日だというのにハチ公前の広場は人で溢れかえっていた。
私、工藤紗栄子(くどうさえこ)は、渋谷駅近くにある私立大学の青葉楽園大学の2年生だ。今年の7月で20歳になる。
その日は、学校帰りに友達と待ち合わせていたのだが、そこで突然、見知らぬ男に声をかけられた。
5月下旬、初夏の陽気で気温もかなり高くなっている。それなのに律儀にスーツにネクタイという装いで礼儀正しく振舞う男は、その慇懃さが却って胡散臭い印象を醸し出していた。
こんな人がいっぱいいるところで大胆な、と思ったが、私は話を聞くとも聞かないともあやふやな態度を取っていた。
「あの、どこかの事務所に所属していますか?」
(またかよ……)
私は、自慢じゃないが超絶美少女だ。身長162cmにDカップのバランスよいスタイル。これまでにも何度も芸能プロダクションだ、風俗だとスカウトされている。
どうせ、今回もその類だろう、と思った。
とりあえず、男の出方を伺う。
「あ、申し遅れましたが、私、こういうものです」と言って、男は名刺を渡してくれた。
昼下がりの渋谷、平日だというのにハチ公前の広場は人で溢れかえっていた。
私、工藤紗栄子(くどうさえこ)は、渋谷駅近くにある私立大学の青葉楽園大学の2年生だ。今年の7月で20歳になる。
その日は、学校帰りに友達と待ち合わせていたのだが、そこで突然、見知らぬ男に声をかけられた。
5月下旬、初夏の陽気で気温もかなり高くなっている。それなのに律儀にスーツにネクタイという装いで礼儀正しく振舞う男は、その慇懃さが却って胡散臭い印象を醸し出していた。
こんな人がいっぱいいるところで大胆な、と思ったが、私は話を聞くとも聞かないともあやふやな態度を取っていた。
「あの、どこかの事務所に所属していますか?」
(またかよ……)
私は、自慢じゃないが超絶美少女だ。身長162cmにDカップのバランスよいスタイル。これまでにも何度も芸能プロダクションだ、風俗だとスカウトされている。
どうせ、今回もその類だろう、と思った。
とりあえず、男の出方を伺う。
「あ、申し遅れましたが、私、こういうものです」と言って、男は名刺を渡してくれた。