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秘蜜のバイト始めました

第3章 え? 女の人とするの?

なんとなく分かってはいたが……

(やはり)、かと思った。でなければ、代役するなんて平気で言えるはずがない。

杏果は、グラスに視線を落とすと、ポツリポツリと話し始めた。


「私、そのころ大学生だったんだけど、元カレがヤバい人で、借金をいっぱい作っちゃって、私が返済してたのよ」

「ええええーーーー、海って、そんなに悪い奴だったんですか?」



「紗栄子ちゃん……あなた、もしかして少し天然入ってる?」

「私が大学生の時、海くんは中学生よ、私、犯罪者になっちゃう」

「あはは、そうですよね、あはは、冗談ですよ、そんなこと分かってますよ」笑ってごまかす私。


「その時、社長に助けてもらったの」

「へ~、立花さんって、単なるスケベおやじかと思ってた」

「まあ、スケベは否定しないわ 笑」


「それで、そのまま立花企画に就職したんですか?」

「まあ、そう言う事になるわね」

「海とはどうやって知り合ったんですか?」

「撮影現場で一緒だったのよ、家庭教師が生徒を誘惑するシナリオだったわ」

「去年の事だけどね……今日の紗栄子ちゃんみたいに、面接のつもりで来た子が、出られなくて、私が代役したの」



「私ね、AV女優をしていた頃、男の人が嫌いになっていたの……」

「杏果さん……」

きっと、杏果にとってはつらい過去だったのだろう、私は胸が締め付けられる思いがした。



「でも、海くんはちがった……私は、彼に年甲斐もなく惚れ込んで、猛アタックの末に付き合ってもらう事になったの」


キュン、と胸が別の理由で締め付けられた。




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