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悪魔から愛されて

第20章 ライバル



その日の夜…


「…恵美、ただいま…」
「…うん…おかえり…」
私はソファーの隅に座り、顔を合わせないようにした…

「…恵美…どうした?」
「…何でもない。」
「…そう。何でもないんだ」
「…やっぱり、あります…」
クスッと龍崎さんは笑いながら、私の肩に手をかけて振り向かせた…


龍崎さんの顔を近くで見たとき…

何故か、涙が溢れて流れ落ちる…


「め…めぐ…恵美、どうした…」


「…圭吾は…美人でグラマーな人が好きなんでしょ。」
「…えっ、何を言ってるのか…わからないけど…」
「私はグラマーじゃないし…あんなに色気ないし…」
「…っはっ?」
「…どんくさい女だし…」

朝に言われた柳原さんの言葉を思い出し、さらに涙が溢れた…

「お…おい恵美…まったく意味が解らないし…なんで泣くんだ…」


龍崎さんは親指で涙を拭って、じっと私を見つめた…


「何があったんだ…グラマーとか、色気とか、どんくさいとか…さっぱりわからない。」
「圭吾は…カッコいいし…優しいから…モテるのはしょうがないけど…あの人(女)だけは嫌なの…」
「…っは?誰のことを言ってる?」


「…秘書課の柳原麗美さん」


「…恵美、妬いてるのか?」
「違います…今日、圭吾が営業部に来た時、柳原さんに向かってニヤニヤいやらしい顔してたもん。」
「お前…やっぱり妬いてるんだな…嬉しいけど…」
「圭吾!!」

龍崎さんにいきなり口を塞がれた…
突然の口づけに抵抗しても、頭を押さえられて動けない…

「…う…うっ…はぁ…はぁ…」
深い口づけに、声が漏れる…

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
唇が離されたが窒息しそうだった…

「恵美…俺は、これからは恵美だけだから…」
「圭吾は…女の人に誘われると、すぐエッチするし…」
「やきもち妬く、可愛いフィアンセを泣かせないよ…」

「私…柳原さん…恐い…」
「そういえば…彼女はやたら引っ付いてくるな…」
「…うん。圭吾も気を付けてね…」
「大丈夫だよ…恵美のほうが気をつけろよ…」

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