悪魔から愛されて
第20章 ライバル
早乙女さんはその様子を見て…
「どうやら…龍崎は、薬を使われたようだな…。まったく…手のかかる奴だ…」
早乙女さんが龍崎さんの胸に手を当てた…
そして、何か言葉を囁くと…
龍崎さんは、急に目を開けて起き上がった…
「恵美…早乙女…それに柳原さん…なぜ俺はここに居るんだ…」
柳原は悔しそうに叫んだ…
「もうちょっとなのに…なんで邪魔するのよ…それに、なんで鈴木さんがここに居るのよ…閉じ込められてたはずじゃない!」
「柳原さん、私を閉じ込めたのは…あなたの命令だったの…?」
「ちっ…渡辺…使えないやつ…」
龍崎さんはやっと状況がわかってきたようだ…
「柳原さん、僕に何か薬を使ったのか?なんでそんなことを…
それに…鈴木さんを…恵美を閉じ込めた?
…どういうことだ…」
「VIP用の応接室からよく出てこれたわね…今日は一晩、出られないはずだったのに…」
私は怒りがおさまらず、思わず柳原の頬を叩いた…
「私は、ここに居る早乙女さんに助けてもらいました。閉じ込められたことも許せないけど…一番許せないのは、龍崎さんに薬を使って何かしようと…そんなことして何になるのですか?」
「あなたより、私の方が良い女だって気づいて貰いたかったのよ。あなたより私の方が龍崎部長とお似合いだって思わない…このどんくさい女!」