悪魔から愛されて
第20章 ライバル
龍崎さんは、少しふら付きながら立ち上がった。
「俺がお前とお似合いだって…いい加減にしてくれ。お前の顔は二度と見たくない。
それに今後、鈴木さんに指一本でも触れたら、俺は許さないからな…覚えておけ!
…恵美、もうこんな奴は相手にするな…帰ろう…」
まだ、歩くことが難しい龍崎さんの肩を、早乙女さんが支えた。
「早乙女…いろいろすまない…助かったよ…ありがとう…」
「お前がしっかりしていないから…鈴木さんがこんなことになるんだ…
ぼやぼやしてると、俺が鈴木さんを連れて行くぞ…」
「…早乙女!」
“龍崎、冗談じゃないよ…鈴木さんを悲しませるなら…”
「…えっ、早乙女さん何か言いました?」
「何でもないよ…帰ろう!」
柳原は何かの飲み物と一緒に、睡眠薬で龍崎さんを眠らせた後
注射器で薬を打ったようだ。
腕には微かに注射器の跡が残っていた…
「早乙女さん、本当にありがとうございました。早乙女さんが天使に見えました…」
「…それわざと言ってる?」
「…あっ…そうでした。本当に天使…」
「鈴木さん…面白い人だね…」
「ごめんなさい…」
早乙女さんに送ってもらい、私たちは家に着いた。
長い…長い…一日だった。
いろいろありすぎて、頭がくらくらしている。