悪魔から愛されて
第22章 旅行
胸に剣が刺さった男は、静かに倒れこんだ…
周りの男たちは、逃げるように走り去る…
…私…助かったんだ…
安心感からか、涙が溢れ出る…
「…圭吾、早乙女さん、ごめんなさい…私が油断してたから、こんなことに…」
「恵美ちゃんは悪くないよ…無事でよかったよ…」
早乙女さんは微笑んでくれた。
圭吾は、私を引き寄せ無言で抱き締めた…
「…圭吾…ありがとう…助けてくれて…」
言葉が遮られた…
圭吾の口づけで唇が塞がれた…
“ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ”
後ろから、早乙女さんの咳払いが聞こえた。
「あの…、キスの最中に悪いけど…二人の時にしてくれるかなぁ…」
…翌日…
朝のニュースでは、函館のホテル近くで、心臓発作と思われる男性が死亡してたと報道された。
恐らく、あの男性のことだ…。