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悪魔から愛されて

第2章 悪魔の妻

「恵美!お待たせ!悪い…待たせたね…」
健斗が息を切らせて走って来た。

「大丈夫だよ…でも絵画展が入場8時までだから急がなくちゃ…」

「そうだな、急ごうまだ間に合うね…」

会社の近くのカフェで待ち合わせをした私達は絵画展に急いだ…



「…この絵は宗教画がモチーフで…」
「健斗って意外に美術に詳しいよね…私はまったく知識無いから、健斗と来てよかった…」
健斗は得意気に説明をして上機嫌だ…

「この女性はリリスがモデルなんだ…リリスはサタンの妻とも言われてたかな…?」

「…っえ…サタンって…悪魔のこと…だよね…」

「そう…でもいろんな説があるけど、サタンはすごく美形だという人もいるみたい…」

「…そ…そ…っそう…なんだ…」

「恵美、急にどうしたの…顔色悪いし…ちょっと休もうか…」

私は全身が凍り付くような衝撃を受けていた…

リリスとは、私が夢の中で聞いた名前…

偶然…

いや違う…サタンって…悪魔…その妻…

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