優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第2章 担任、井田春斗のクラス
「今日から、みんなには自分の生活について、体について、記録をつけてもらいます。何時に寝たとか起きたとか、食べた物とか、そんな感じで。体だけじゃなくてね、心の方もね」
井田先生はそう言いながら、生徒ひとりひとりにノートを配っていく。
わたしにノートを手渡すとき、井田先生は少しだけ微笑んで、わたしの目を覗き込んだ。井田先生は柔らかくも何かを見透かそうとしてくるような目をしていた。少し怖くなったわたしは、ノートを手に取ると、また俯いてしまう。
その挙動が、井田先生に与える違和感のことなどは頭から抜け落ちていた。
手にしたノートを開くと、日記のようになっていた。時間毎になにをしたのか、毎日記録ができるようになっている。
欄外には、毎日の朝昼晩の食事を書き出すスペースがあった。
井田先生はそう言いながら、生徒ひとりひとりにノートを配っていく。
わたしにノートを手渡すとき、井田先生は少しだけ微笑んで、わたしの目を覗き込んだ。井田先生は柔らかくも何かを見透かそうとしてくるような目をしていた。少し怖くなったわたしは、ノートを手に取ると、また俯いてしまう。
その挙動が、井田先生に与える違和感のことなどは頭から抜け落ちていた。
手にしたノートを開くと、日記のようになっていた。時間毎になにをしたのか、毎日記録ができるようになっている。
欄外には、毎日の朝昼晩の食事を書き出すスペースがあった。