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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「……っあ! いま何時?!」

言いつつ、自分のスマホで時間を確認する。

「んあー、しまった! 咲、起きるよ!準備して!」

「えぇ……なんで」

今日は土曜日。春ちゃんもわたしも学校休みのはずなのに、なんでそんなに急いでいるのか……。

「病院! 優が待ってる」

「なんで……やだよ……」

来週の土曜日って約束だったじゃん……。
わたしは頭から毛布を被ると、布団に潜り込んだ。春ちゃんがその布団を引き剥がす。

「やだー!」

力いっぱい、毛布を自分の方へ引っ張る。

「昨日、優と俺で、咲のお腹の調子を診た。覚えてる?」

覚えているどころか、忘れたくても忘れられない。恥ずかしさがもう一度湧き上がって、顔が赤くなった。
何故か、あそこもむずむずと動き出す。
春ちゃんはバタバタとリビングと部屋を行ったり来たりして、病院へ行く準備を整えた。

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