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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「咲、ほら、お着替えして〜」

毛布に潜り込むわたしに、春ちゃんが声をかけた。

「やだ。着替えられないの。春ちゃん着替えさせて」

春ちゃんを最大限まで困らせて、病院に行かない作戦を取ろうとした。

「なーに赤ちゃんみたいなこと言ってんの〜。怒られるよ、優に……。あと、早乙女先生」

サオトメ先生……。昨日、眠りに落ちる前に薄らと聞いた名前だ。

「早乙女先生は怖いんだぞ…… 俺と優が震え上がるくらいに……」

言いながら、春ちゃんは生唾を飲み込んだ。
いつも、余裕たっぷりの春ちゃんと、冷静で怖いもの無さそうな優が震え上がるって……?

現に、春ちゃんの目が怯えていた。

相当怖いことが想像される。

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