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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「咲……」

苦しくて、気持ちよくて、泣きながら、声を漏らして耐えるわたしをみて、春ちゃんは悲しそうに頭を撫でた。
そんな春ちゃんの表情は初めてだった。
レバーを握る手に力がこもる。

「咲ちゃん、ちょっと刺激強くするよ。まだもう少しかな。あと少し、頑張ってイくの我慢しようか」

気持ちいいのを……今日は我慢するの……?
飛びそうになる意識をどうにか保つ。
早乙女先生は、優しくわたしに声をかけるけれど、容赦なかった。
スイッチを切り替える。

「んあーー!! だめっ、やめて、むり!!!」

いっそう強くなった機械の音と共に、わたしの声も大きくなる。
春ちゃんが、ぎゅっと目を瞑る。声をかける代わりに、手を握ってくれた。

「気持ちいいね、苦しいね。もう少し我慢だよ」

早乙女先生が、わたしの声を聞きながら言う。

「んあっ、あっ、あ、あぁ……っはぁ、はぁ」

「お腹動いてる、頑張れ」

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