テキストサイズ

NOMAD メガロボクス2

第3章 バシッ

バーテンやお客の話ではメガロボクスの開催される闘技場ドランクモンクは駅前にある送迎バスで行けるそうだ。そこまでの道順を教えてもらうと少女は飲み物の代金を支払い店を出た。



そしてバスが到着すると地下のリングで賭博試合を行うものだとは知らなかった。でもほかに行くあてはないし、歌ってた男の試合を観戦してみたい。チケットの買い方を知らないので売り場の係員にたずねると



「どっちの選手に掛けますか?」



と聞かれた。今回の試合はオークル肌のもじゃもじゃな毛量の多いヘアースタイルにヒゲのノマド(ジョー)という選手。



もう1人は浅黒い肌のドレッドヘアーのチーフという選手の2人だ。どっちが歌ってた男か少し迷ったが2人は特徴が違う。ジョーのほうは頬とあごいっぱいにのび放題にヒゲをはやしてる。



2人を見比べると歌ってた男はたしか浅黒い肌と口の下からあごにかけて幅4㎝ぐらいのヒゲをきれいに剃ってる。



ギターをひいてたときにベージュの帽子からそれが時おりのぞけた。だからそのドレッドヘアーの男がチーフだとわかった。



買う選手を決めてから係員に告げると一口5000円で100口まで買えると言われた。なりゆきとはいえ賭博をするとは思わなかったが所持金に余裕があるので



「チーフで3口ください」



と気に入ったボクサーのチケットを買い観客席に行ける通路の場所を教えてもらった。


なんとか自分の観客席を見つけて座ると掛け金をどっちの選手にかけたとかでオヤジ客らが盛り上がってる。女性客もそれなりにいて試合を待ちかねているらしく連れの年上の男性客としきりにはしゃぐ声が聞こえてくる。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ