
NOMAD メガロボクス2
第3章 バシッ
そして試合が始まりジョーとチーフの対決はジョーの勝ちに終わった。だが試合に勝ち満足してるはずの男が負けたヤツにからみケンカにつながるとは夢にも思わなかったが。
少女は今日の行動を思い返してみる。こうなった理由はいつもと違う場所に行きたくなった。たったそれだけだった。
いつもは少女の家でお抱えの運転手に車で行ってもらうが。その日はどうしても自分で行動したかったから運転手にその旨を伝えた。それにおなじみすぎな認可地区での遊びスポットにも飽きてたのも大きい。
学校の子たちがよく楽しそうに話してる電車という乗り物に乗れば自由にいろんな場所に行ける。少女は好奇心が旺盛だし電車に関心があったので乗り換えに気をつければよいなども教えてもらった。
ただ駅に着いたはいいがどこに行くのかもしたいことなども考えてなかったことに気づいた。必死に頭をめぐらせて
(……あのひとたちと同じように乗ればいいのかな…)
と思いホームに行き停車中の電車に乗り込んだ。
それがまさか未認可地区に行くものだとはまったく気づく余裕はなかったが。
車窓から見かける風景はいつもの通いなれた学校や家の周辺の景色とはなにかと違う。ビルが立ち並ぶ認可地区からしばらくすると畑や大きな川などがあたり一面に広がる町並みもあることにびっくりしたりと楽しいが。
気がつくと車掌に終点だと言われてしまいあわてて駅をあとにした。
到着した街を見わたすとかなりさびれた様子だった。道行く人もなんとなくだがせわしないようだし。そのせいか空気も乾燥してるしほこりっぽいようだ。
5分ほど歩くと裏路地なのだろう、バー(飲み屋)らしい店の看板が目に入った。スマホの時計を見ると夕方6時とうす暗いし慣れないことをして疲れたのでひと休みしようと店のドアをくぐる。
店内は照明が少しうす暗くしてあって少女にとってはなにもかもが生まれてはじめてだった。
