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NOMAD メガロボクス2

第4章 ガシッ

そう言えたら苦労はないが言葉がうまいことうかばない。



(…やけにいろんなことが起こるなあ…)



だからすっかり気がぬけてその場に座りこむほか少女にはなかった。そのせいか泣けてしまう。



やがてジョーはフラフラとよろめきながらもバイクに歩み寄りキーをさすと



キュルルッ!ドルルン!とけたたましいエンジンの作動音やマシンの出す爆音が駐車場に鳴りひびく。



「おいっ」



そう呼ばれて少女はビクッとして顔をあげた。するとバイクにまたがるジョーがいる。なにかを言いたそうにたたずんでる。



「……?なに…」



あまりにもうまくいかないことだらけでドスーンと石でも落とされたように少女は気持ちが沈みきってる。



それでもふと見あげるとジョーはなんでだかまっすぐ少女を見てる。



「乗るか?」



ジョーがなんだってそう言うのかは少女にもさっぱりわかんない。が、試合に勝ったと思えば対戦相手にゴネたすえにシメられたりしてる目の前の男の言葉になんでだか感情がついゆれ動かされそうになる。



(〜……〜……)



少し考えてから少女はレギンスについた小石のかけらや土ぼこりを払い落とすとジョーのバイクに乗った。



自分でもなんでそうしたのかなんてわかんない。深夜11時の冷え込みがこたえてきたしなんとなくうずくまるヤツをほうっておきたくなかった。



それにそろそろ座ったアスファルトが硬くて足が痛くなってきたし冷たさがこたえてきたから立ちあがろうかと思った。それだけなのだが。


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