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NOMAD メガロボクス2

第5章 ズシッ

日差しがのぼって気温もあがってきてるので寒さも少しはまぎれてくる。再びバイクに乗ったが向かう先にはコネやツテもない。だからお互いに協力しあうしかなさそうだが。



「この先に街あるといいね」


少女が疲れてきたみたいでそう言うがはずれの地域に来たらしくそれらしい所はまだ先のようだ。



「さあなッ!」



(なんでガキにかまってんだ、オレ…)



ジョー自身にもなんで声かけたかなんてわかんない。ただ子どもの相手はわりと好きだが。そんなふうに思ってると



「それにさあ〜」



少女がなにかを言いだす。


(〜ああ!?)



と思いながらうんざりしてるジョーは唇のまん中を軽くかむ。



「わたしとあんたの2人だからなんとかなるよ〜!」



能天気そのものなセリフを出してくる少女。ジョーもだいぶ走ったので路肩でひと息ついてるときに



「だいたいお前カネもってねえだろ、えらそうに」



そうなじられて少女はムカッときたのだろう。



「カネならあるよ、ほらっ!」


少女がジャケットの胸ポケットからサイフを出して開ける。なかには30枚ほどの万札が入ってるのを見てジョーが目をむく。



(マジかよコイツ…。ガキのもつ額じゃねえだろ…)



たまたま少女は今月は2度母親に会えたからこの額なだけだが。



まさか駐車場で座りこむようなガキが大金もってるとは誰も思わない。



(…コイツどんだけイカレてんだよ、親か保護者の顔が見てみたいぜ…)



とジョーの身近ではありえないことにまいった。試合では勝ったが、ケンカでのされたりといいことのない近況もだが。



「そろそろ行くぞ」



そう言ってクサクサした気分を吹き飛ばすようにジョーはマシンのキーを差すと少女を後ろに乗せてからアクセルを全開にすると勢いよく走り出す。


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