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NOMAD メガロボクス2

第2章 ビシッ

'ジョーと勇利のメガロニア戦から7年後'



超近代的なビルが屹立する認可地区と市民IDをもたない貧民たちの住む未認可地区の2つのエリアに区切られてる世界。



非合法な地下のリングで身体能力を強化する目的で強化外骨格ギア(肩当てにメカ機能をつけてるイメージ)を取りつけたメガロボクサーたちにより行われる格闘技メガロボクスがある。



ある者は勝ち役を、またある者は引き立て役をこなすからこそ試合に出られる。だがのしあがれる者はほんの一握りだ。そして今日も2人のメガロボクサーの試合が開催される。



会場内の一角にあるうす暗い緑色の壁に囲まれた控え室。そこにほおいっぱいにヒゲをはやした男がベンチに座って待ち時間をすごしてる。やがて



「試合だ」



と声をかけられた。男は立ちあがりリングにつながる通路を歩きだす。



観客たちはそれぞれの思いがあるのだろう。50代から80代もいれば、20代ぐらいの若い女や同じぐらいの若い男など客層もさまざまでなかには言いがかりに近い野次をとばしてる者もいる。



やがて2人の選手が紹介される。1人は30代だろうかそのぐらいに見えるボクサーはノマドと呼ばれてて背は約175㎝、細マッチョで無口だ。


「キャアアア〜、チーフ〜がんばってえ」



ティアラこそついてないがピーチ姫似なヘア-スタイルの女の声援がもう1人の背が約190㎝、約90㎏とマッチョな選手にかかる。チーフという名で40代ぐらいか。



美人の甘い声を聞いてうれしいのと自分にも景気づけたいのと両方だろう。



「やあお嬢さん、今日の勝利をあんたに捧げるぜ」



などと貴婦人ふうのブルーの長袖ドレスで着飾った25歳ぐらい、ちょっと厚化粧だが頭がからっぽそうな魅力の女性客に声をかけた。



数時間前にはホテルから近いジョーも立ち寄った酒場でギターを弾きながら歌ってた男だ。



女は気分がアガらないこともあるのだろう。心をくすぐるセリフを聞きたかったようで濃いめなピンクのルージュで彩られた唇は金切り声をあげながら手を頭の上にあげて喜んでる。



そして試合開始を知らせるゴングと同時に



「ファイッッッ!」



という気合いのこもったレフェリーのかけ声が会場内に響きわたる。


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