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NOMAD メガロボクス2

第7章 バキッ

じいさんのあとをついてくとほどなくしてある一軒家の前についた。屋根を囲めるぐらい一面に緑の木が庭先に数本植えられてて夏は木陰で涼めそうだ。



玄関をあけてもらいリビングにある椅子に座るように言われる。言うとおりにレイは座った。



「持ってくるから待ってな」


じいさんは冷たいお茶をレイに出すと奥の部屋に入っていった。見渡すと一人暮らしの老人らしい。奥さんらしい女性の写真が置き物と一緒に棚に飾られてる。


「なんかしずかで落ちつく…」



じいさんとばあさんが長い間すごしてきた家なのだ。だからこそふたりの好みが反映されてるからこの居心地になるわけだが。



レイは実家の認可地区の屋敷を思い出す。両親はほとんど来ないけど使用人たちが床や窓などの掃除や手入れをしてくれてる。




レイの住む邸宅の使用人たちは雑用がヒマなときはたまにレイの遊び相手になってくれてる。年よりでも若者でも田舎の出身なせいかタメ口で話によくつきあってくれる。



だけどそこにはないなにかが別なものがほしい。かといってそれがなんなのかもわかんない。そう思ってると



「ああ、あったよ」



じいさんが物置きから何本かの杖を持ってきてくれた。濃いブラウンで硬めな木材だったり白っぽい色でさわるとカサカサぎみ質感なものもある。



握りごこちや安定性などをじゅうぶんに考えて作られたのだろう。彫刻にも似た細工が握るところに彫られてるものもある。



「気に入るのがあるといいねえ…」



人がいいらしくじいさんはやさしくレイに言ってくれる。なんとなくだけどチーフのドヤ顔に似てるなあなんてふと思う。



(〜〜アホらしいっ!)



とよぎったものを振りきるように焦げ茶い色の杖を持ってみる。やっぱり手になじむように作られただけあって使いやすいのかもしれない。



適当にヒュッと軽く振ると木刀や竹刀よりは軽い感触だがぜいたくは言えないしなかなかの使い勝手が気に入った。



「…なんかこの杖がいいみたい、いくらですか」



お金を払わないと悪いかと思いじいさんに言う。



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