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NOMAD メガロボクス2

第7章 バキッ

いっぽうのレイはなにか木の剣か木刀にかわるものはないかと探しまわる。



マーラの家のキッチンにある菜箸が目についたが用途がちがいすぎる。



「傘じゃ振り回してバラけたらちらばって危ないし…」


ブツブツ言いながら木刀や竹刀の代用品を考える。日用品店や雑貨屋ものぞいたがそんなに都合よく見つかるはずもない。



なんだってこんなにムキになるのか?もともとのレイはそんなにはマメなほうではない。



ただ家に帰ったら鬼より怖い剣術のマスターが待ちかまえてる。だからウデがなまっててはまずいのだ。



数年ほど前にハマってた少女マンガにある国の8才の皇帝が国じゅうで好き放題の限りをしてた。たとえば結婚式に出席すれば馬にのって新婦をさらっていったり。無理難題とわかってながらも



「早く商品を量産しろ」



といった具合に。いくら皇族といえどのさばらせてばかりとはいかないので僧侶や神官たちに捉えられて目をつぶされ、去勢手術をされた。ついには国を追放されて砂漠のこじきになったという。ネタとはいえさすがに怖くなった。



「もっかい街を歩こうかな…」



ほんとうはチーフにかまってほしいのだけど試合に向けたトレーニングに集中してる。マンガなども読んだがいまいちハマらない。



モヤモヤするのがいやでマーラの家を出た。〜はいいがすぐに思いつくわけもない。


5分ほど歩くと杖をついたじいさんがいる。ふと目にとまったのはその杖だった。



「ねえ、おじーさん」



声をかけられてじいさんはんっ?といった様子でレイのいるほうをふりむいた。


「あんたかい、なんだい?」


のんびりした様子でレイに聞き返す。



「その手に持ってるの…」


「……ああこれかい?どうかしたのか?」



不思議に思うのも無理はないだろう。普通なら年寄りが使うものを若い娘が興味をもつのだから。



「その杖がいいの、どこにあるのっ!?」



…脈絡もないことをいきなり言い出すのがレイなのだろう…。



「いるのかい…?うちに何本かあるからそれならあげるよ」



「ほんとっ?!たすかる〜!」


「……ああ、ならついといで」



じいさんは杖のありかを知ってるようでそこまで案内してくれるようだ。


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