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そう―

機械の卵から出てきたのは､紅音のクローンだったのだ―。


しかし､なぜ､紅音がそんな事をしたのか―？

◇

湊川 紅音は､レズビアンである―。

紅音自身が､そのことを気づいたのは､中学生の頃だった。

紅音の成績ならば､もっと立派な高校に行けたが､周囲の反対を押し切り､紅音は中学卒業後､超名門の女子高へと進学した。

まわりを見れば､女子､女子､女子…

男なんて一人もいない､紅音にとって､天国のような３年間…
…になるはずだった…。

現実は違った…。

女子しかいない女子高だからといって､そんな､女子同士の恋愛など､存在しなかった。

それどころか､周囲の生徒達から
『湊川さんは､なんか､普通じゃない』
と､噂され始めてしまったのだ…。


紅音が２年生になった頃には､もう､紅音には友達と呼べる者もおらず､いつも一人だった…。

所属していた科学部からも､部のイメージ悪化を防ぐために､退部させられた…。

もう､この学校に､紅音の居場所などなかった…。

それでも､紅音は学校に通い続けた。

最愛の女性 [ﾊﾟｰﾄﾅｰ] に出会える…
…という､一縷の望みを信じて…。


高校卒業後､科学の分野においては超名門の女子大に進学したが…

最愛の女性 [ﾊﾟｰﾄﾅｰ] に出会えることのないまま､４年の月日は､あっという間に過ぎた…。


一方で､４年の大学生活において…

紅音は､ある研究に没頭した…。

紅音が没頭した研究―

それは…

『生物のクローン』の研究だった…。

しかし…

クローンの研究の対象が『人間』になるのに､そう時間はかからなかった…。

いや…

紅音にとって､それは『必然』ともいえた…。


最愛の女性 [ﾊﾟｰﾄﾅｰ] との出会いなど､とっくに諦めていた…。

そう…

紅音が出した答え…

それは…

最愛の女性 [ﾊﾟｰﾄﾅｰ] と出会えないのなら､自分で作る…ッ!!


４年間の研究の末､紅音は…

独自のクローン人間製造法を完成させたのである―!!