悪魔と天使とお嬢様
第5章 高校生の恋愛
龍崎が静かに話し始めた。
「…恵美様、車をお出ししてよろしいのですか?」
「…はい。お願いします…」
車はゆっくりと走り出した…
バックミラーを覗くと、田中くんはずっとそこに立っていた…
「…恵美様、彼は貴女のことが、お好きなようですね…」
「…告白されたのです。付き合って欲しいと…」
「…ほう。恵美様は可愛いですからね…」
「…以前の私でしたら、嬉しかったと思います。でも、今はそう思えないのです…」
私は隣に座る龍崎の腕を、ギュッと掴んだ。
「----------恵美様?」
「…龍崎からみたら、私は子供で…まったく魅力も無いと思うけど…私は…」
最後まで言う前に、言葉が遮られた。
龍崎は私を引き寄せ口づけた…。
深い口づけに息が苦しく声が漏れる。
「-------っう---んん---ん---」
唇が離れると、龍崎は私を真っすぐ見つめた。
「…恵美様、そんなことを考えていたのですね。私も早乙女も、恵美様を子供だなんて思っておりませんよ。魅力的で可愛らしい女性です。これでも押し倒したくなる衝動を、理性で我慢しているのに…」
私は自分から龍崎に抱き着いていた。
龍崎は優しく抱きしめてくれる。