
🏠️家庭内恋愛💕
第8章 女王蜂
「和津八(かずや)さん――――お待たせ」
高級感溢れるバーに、現れたのはとても美しい…一人の女性。
男を待たせても何食わぬ顔で「お待たせ」と、笑顔で現れた――――。
「忍(しのぶ)さんになら、何時間だって待たされても文句は言いません」
和津八と呼ばれた男はバーテンに酒を注文すると、スマートに女性を席に誘導した。
「――――なら、何時間でも待たせて見ようかしら?」
「ハハハ…勘弁してくれ」
カウンターに座り…出されたカクテルを和津八に見せ「乾杯」と、言うと…、忍はピンクのカクテルをふっくらと艶かしい唇に運び…一口飲んだ。
和津八はグラスに接触する忍の唇を見つめうっとりとする…。
「君の唇は――――…本当に美しい…君に飲まれるカクテルに嫉妬してしまいそうだ」
「フフフ――――相変わらず、お世辞が上手ね…」
