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たんたんたぬきポエム

第26章 ぬくもり

電車の中の一瞬の恋。

隣で寝てしまったキミはボクにもたれかかる。

名前も知らない、言葉をかわしたこともない。

でも、キミがボクに身を預けてくれた、このひとときのぬくもりは温かくボクの肩に残っている。

人生のうちの、ほんの一瞬だけど、キミがボクに身を預けてくれた瞬間は確かにあった。

それだけでいい、それだけでボクは幸せだ。

・・・うぎゃあ、ブスだった。

ぬくもりよ、早く消えろ。
ううっ、肩が痛くなってきた。

ブスだからって急に冷めてしまう自分が情けなくて心も痛い。

本当に一瞬の恋だった。
心の重荷にまたひとつぬくもりが乗せられた。

電車は間もなく終着駅に着くだろう。
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