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仔犬のすてっぷ

第20章 奈落のなかで・・・(Hシーンあり〼)


「私・・・もう、我慢できない……」

 そう呟くと明美様はこちらを向いて、僕の膝の上に馬乗りになり……
僕の目をじっ・・・と見つめた。


・・・どくん、どくん・・・。

胸の鼓動が高鳴る……。

この高鳴り……あの時と、何か…違う気がする。



あの時は、初めての体験に面食らいながらも…もの凄く恥ずかしくて。

え……?フェラチオは子供の時にすでに、明美様に経験させてもらってる…から・・・
初めてじゃ、無い……あれ?




・・・・・・?

・・・・・・あの時??


あの時…って……何だっけ?






『優希・・・』



男の人の、声が・・・何処からか…湧いてくる?


『サー……ス…し……ぜ…』

電波の悪い、ラジオみたいに…途切れ途切れに。


(・・・この、声……だれ…?)


『こんな…しても、……わかっ………だから…』

・・・優しくて……温かな感じ。

『こんな…ストライク…やつ……オトコなわけ…るかあ!』


……そ〜そう。意外に馬鹿で・・・


『赤出汁苦手…のに、これ……ソレが無え』

……意外と、味の分かる奴で・・・


『…こうやって疵ごとお前を愛してやる!』

………これ…恥ずかしいけど、なんか…嬉しい言葉だったなぁ〜…


・・・・・・。



・・・・・・・・・あ。


・・・お、思い……出した。




・・・・・そら……。



照れて、苦笑いしている彼の顔が…
白いモヤの中から現れた。

(……そ、蒼空……)

ま、まあ…そんな顔してる彼の顔は、嫌いじゃない。かわいいし。


(……だけど、今のこの状況の僕を見たら、彼は…怒ってくれる・・・)

ニタァ〜…と、鼻の下を伸ばしながらこちらを見ている彼が、直ぐ側でじっくり見守っている姿がはっきりと浮かんだ。


(・・・・・危害が加えられてない、この状況なら・・・確かにこんな顔するかもしれないな…)



ーーーあ。
なんか・・・みょーに、腹が立ってきた・・・。


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