無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

ガッ…ガキ、ギィッ、ガキッガチィッ…！

連続して鉄の爪を繰り出してくるヤスの攻撃を、二本の剣はしっかり弾き返す。


「テメェ…このスタイルが本命か？！」

「……言いましたよ？僕は。その身で・・・」

　ヤスの攻撃終わりのタイミングに、カリームは防御していた右の剣をそのままヤスへ叩きつける。
ヤスは近づき過ぎていたため避ける事が出来ず、鉄の爪二本をクロスさせそれを受けた。
動きの止まったそこへ間髪入れず、左の剣を下から上へ斬り上げる。


「……味わって下さいって、ねっ！」

「……チィ！しまっ……」

　体の軽いヤスは、その攻撃も避けられず…カリームの斬撃の威力を受け止める形になり、衝撃が体を少し浮かせてしまった。

　斬り上げたその勢いを、そのまま次の斬撃へ加えるように下から上へ斬り上げた後、また身体を回転させたカリームは、右の剣で下から掬い上げるようにヤスに向かって斬り上げる。


ーー　パキキイイィィ…ン


　重い斬撃に耐えきれなかった鉄の爪が、折れながら高い音で悲鳴を上げた。


「……があっ？！」


さらに、ヤスの右肩辺りに斬撃が当たり、そこに仕込まれていたダーツが何本か折れて飛び散る。

・・・しかし、ヤスはその後体をくるりと一回転させ、着地後素早くバックステップしてカリームから慌てて距離を取る。


「……なんて重い斬撃だ！あんなもんマトモに喰らったら……」

「…喰らってください」

あらかじめヤスがそうするであろうと読んだカリームは、追撃して鋭い一振りを見舞った。


ーー　ドスン！！

剣が叩き付けられたアスファルトが激しく飛び散った。


「ひいっ？！」

間一髪、軽い体のお陰でギリギリで避ける事が出来たヤスが悲鳴を上げながら転がって逃げる。


「こ、こんガキゃあ！舐めんじゃねえっ！」

転がりながらもヤスは反撃のダーツを４本、タイミングをズラしながら投げつけた。


（あの鎖帷子では細長くて小さなダーツは防げねえ。右へ避けても左へ避けてもダーツは当たる…痺れ薬が塗ってある特別なダーツだ……刺さって動けなくなったトコロを切り刻んでやる…！）