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仔犬のすてっぷ

第23章 仔犬達のワルツ1 カリームVS切り裂き魔



 白銀の爪がヤスの体を挟むかのように、曲線を描きながら重い刀身が左右から彼を挟撃した。


カシュ…ピキィッ!
ドガガァッ!!
……ピキ、メシャ…ボキバキッ・・・

「ヴギョエェ〜…・・・」

 挟撃を受け止めようとした鋼鉄製の戦闘用ナイフは折れて刀身が空を飛ぶ。
 寝龍刀の刃の無い湾曲した部分にガッチリ体を左右から挟まれ、左右両方の二の腕の骨が砕け、肉が変形するほど潰れ、肋骨も数本折れたヤスはそのまま泡を噴いて気絶した。



「・・・コレで懲りましたか?
多分……二度とナイフで人を斬る事は出来ないでしょうが・・・って、聞こえてないかぁ★」

『・・・カリーム様。お見事でした。
今、警察署に動きが有り、警察車両がそちらに到着するのはあと10分程、というところです』


「ありがとう、ラシード。引き続き上空からの警戒を頼むよ」

 カリームが右の剣を肩に乗せながら夜空を見上げると、上空のヘリコプターがランプをちかちかとさせ合図を送りながら飛び去っていく。


『了解しました。・・・ご武運を……』



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