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仔犬のすてっぷ

第24章 仔犬達のワルツ2 潤 VS 屈強な大男



「……随分とタフな野郎だな、オイ(汗)」

 辛うじてスピードが勝る潤は、サンドグローブで巨体の清を何度も殴っているのだが、相手は怯まずに反撃してくる。


「その上、思いの外動きが早い……と、来たもん、だっ…と」

ぶんぶん振り回すパンチが何度も当たりそうになるが、潤はなんとか避け続けていた。


「…いっ、いいかげん、おっ…おとなしく、するんだナぶしっ?!」

左に拳を振り回した瞬間を狙い、潤はカウンターで清の顔面にパンチを叩き込んだ。


「いっ…痛いんだな、こ、この、いっ…色男が」

「・・・カウンター当てて、それだけかよ?」

 潤は捕まらないように素早く距離を取り、呆れながらファイティングポーズを取る。


「…しかも、なんで相手を褒めながら攻撃するんだか……(汗)やりにくいったら無い」

「ほっ…褒めたりなんか、して、なっ…ないんだな、これが」

 威嚇するように、チェーンでぐるぐる巻きになった両拳をガチイイィン!と叩き合わせながら清が呟いた。


「…ほっ…ほら、かっ、壁際だあ!」

「……っ!いつの間に…?!」

 気がつけば、潤は外壁の壁際に追い込まれていた。


「……しかし、コイツは好都合!ならばッ!」

潤はあえて壁へ向かって走り出した。そのまま壁へ足を掛け、たたたんっ!と駆け上がると


「喰らえッ!空中カカト落としイィ!!」

空中で前店し、勢いよく右の踵を清の頭に叩き込む・・・

ーー がしっ!

しかし、カンタンに受け止められ、逆に足を掴まれてしまった。


「あ、あれっ?!」

「…あっ、甘いんだな。かっ、考える事が、他人とお、同じなんだな!」


清はそのまま、潤を空中でぶんぶんと振り回し始めた。

「ーー んのわあぁ〜〜〜!!」

ーー べっちゃああぁん!!



ボロ雑巾を叩きつけるがごとく、潤は地面に顔面から叩きつけられてしまった。


「がはあぁっ!」


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