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「なっ…なんですか？！貴方はっ！！」

　ターゲットを追いかけ、辺りのものを次々に吹き飛ばしながら暴れるアキラが、そのまま霧夜を巻き込むように逃げてきた蒼空に誘導され、急接近する。


「…邪魔なんですよ！」

投げナイフを投げ付けるが、アキラのガントレットに当たり弾かれてしまう。
　しかも、今の攻撃はアキラのターゲット順位を変える行為だった。


「・・・武器ニヨル攻撃確認。
・・・ターゲット、変更スル・・・」

ピタリとその場に止まると、アキラはゆっくりと頭を動かして霧夜の顔を確認する。


「ええい！……ならば貴方も暗示に掛けて差し上げ・・・・・・・・ん？？」

　暗示をかけようとアキラの眼を見つめるが、彼の目の瞳孔が開いたままになっている事に霧夜は気付いた。


「……な、なんだ？！すでに別の暗示に掛かっているのか？！」
「・・・攻撃、開始・・・」

　相手の眼を見なければならない幻術は、その性質上…一時的に自らの動きを止めなければならない。
アキラに幻術を掛けようとして動きを止めていた霧夜は、身体能力の上がっている狂戦士の攻撃を避ける事が出来なかった。

　一瞬のうちに間合いを詰めたバーサーカーが、霧夜の眼前でスタン能力の高い電磁警棒を振り下ろす。


「…ちいいぃっ！」

　左に持つ大型ナイフで攻撃を往なすため、ナイフを逆手に握り直しながら身体を半身ずらそうとした瞬間、その左腕に黒い蛇が風切り音と共に飛び付き、絡まり、それを阻害する。


「…連れねえなあ、霧夜。一緒に地獄を味わおうぜ？」
「…！？な、馬鹿なこ……ぐわあああぁ！」


　痛烈な打撃と共に、電磁警棒から１万ボルトの電撃が流され、霧夜と森川は感電した。