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仔犬のすてっぷ

第30章 共振



「これから話すのは、ラビットの真骨頂。
《共振》についてよ」

再び僕と蒼空を交互に見た相田博士は、コチラにビシッ!と人差し指を突き出しながら叫んだ。


「あなた達!キスしなさい!さわりじゃなくて、あっつ〜い、濃厚でめちゃんこディープなやつをっ!舌がとろけて、体液がたぎり、粘膜が刺激されて踊るやつをッ!」


ーー ぼふんっ!!


 瞬間的にそのシーンを想像してしまった僕の顔からしゅわぁ〜…っと湯気が立ち昇った。

「ちょっ…アンタ!何勝手に盛り上がってんのよッ!負けは認めたけど、優希は私のモノだって事実は曲がらないんだ!そんな野郎に…よりによって私のめのまむまもむぐむぐう!!」

「……はいはい★負けたおばちゃまは黙ってね♡」

何処から取り出したのか……
相田博士はボールギャグ(中央にボール型のゴムがついているSM用の猿轡)を明美さんの口にはめて楽しそうに笑った。


「……博士……また、そんな物を…」

その様子を見た夏美お姉ちゃんが、顔を片手で抑えながら嘆きの声を上げる。


「大丈夫☆ちゃあんと新品だからね。あなた用のはちゃんとラボに……」
「はかせえっ!」


・・・今のは、聞かなかった事にしよう。
僕の中の夏美お姉ちゃんのイメージが違うものになりかねない鱗片だったし(汗)



「・・・と、言うわけで……さあ、二人共、レッツ!ディープ・キスっ!」

「と、言うわけ…でも、レッツ!でもありませんっ!なんでここで僕と蒼空が、あ?き?きすむぐぅ?!」

 思い切りキスを煽る相田博士の要求に、拒否の講義をしようとした僕に……
すっ…と近づいてくいっ!と顎を引き寄せた蒼空が唇を重ねて来た。

「〜ん〜〜…!むんぐ…ふめっ…むふぅ〜………ん……・・・・・・は…はぁ〜…はむ……………………ん…………」


(・・・だ、だめだよぉ〜…まだ…身体の熱いの……きえてないの……に……またさらにあつくなっちゃ……)

『・・・熱くなったら…俺がまた慰めてやっからな……』

………え?
また……蒼空の声が・・・

(……また、蒼空の声が聞こえて来る……?)

『お?!また、繋がったか?感度がいいねえ♡』
(君…コレが確かめたくてキスしたのかい?)


『そうだ……ってウソはつけねえよな。何しろ心で話してんだから』

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