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仔犬のすてっぷ

第34章 事件が終って・・・


「最低じゃない、僕は嬉しかったんだ。あんなふうに求められたら、僕が居る意味があるっていうか・・・
それに、多分僕から奈緒ちゃんに迫って君を押し倒す……なんてこと、意気地のない僕には無理だっただろうし……」

・・・ああ…どう言ったら奈緒ちゃんを納得させられるんだろう……。




「・・・な〜に青臭い会話してんだ、優希。
気持ち良かったから、また一緒にしようね、で良いだろ?そんなもん」


とつぜん奈緒ちゃんの向こう側から声がして…
むっくりと蒼空が起き上がった。


「好きになったもん同士、お互いを求め合っただけで、きっかけは問題じゃねえよ。
第一、受け身体質のお前が普通にあのまま付き合っていたら、手を握るまでいつまだかかったことか・・・むしろ、感謝したほうが良いくらいだと俺は思うぜ?」

ふああぁ〜…とでっかいあくびをして、それから頭をガシガシと掻きながら蒼空はそんな事を言ってくれた。


「やっちまった事は消えねえし、元々相思相愛なら何にも問題ねえじゃねえか。むしろ、昨夜の俺の立場……最高に居心地が悪かった、俺に対してのコメントが欲しいくらいだぜ……」


・・・蒼空……
確かに昨夜は損な立場だったよなぁ……。

奈緒ちゃんもはじめはキョトンとして蒼空の話を聞いていたけれど…くすっと笑ってから、彼女は蒼空にこんな事を言い始めた。


「あら…昨夜はサービスしてあげたでしょ?普通恋敵になる貴方にあんな事する義理は無いんだから、感謝しなさいよ?」

「あん?何言ってやがる。俺の優希に股がって好き放題やったくせによ。状況が状況じゃなかったら、ぜってーゆるさないところなんだからな?」

「あら?私に色々されて喘ぎ声出していたのは何処のどちら様でしたっけ?
と〜〜っても気持ちよさそうに身体を震わせていたのに、よくそんな減らず口が叩けるわねぇ?ねえ、優くん?」
「……あんだとぉ?」
「・・・なによぉ?」


は、はははは…ははは……(汗)

こんだけ蒼空に元気に絡んでいけるなら、奈緒ちゃんはもう心配要らないな…

蒼空にも悪いって思っていたけど…こんな感じなら、いつも通りにこれからもやっていけそうだし。


「…まあまあ、二人共、落ち着いて・・・」





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