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仔犬のすてっぷ

第36章 36章 これから先は・・・


 翌朝・・・。

シングルベッドの狭いスペースの中で、僕と蒼空は抱き合ったまま朝を迎え…


「よお?起きたか?」

 僕よりも早く目を覚ましていた蒼空が、僕の頭を優しく撫でてくれた。

・・・なんか…まだ夢を見ているみたいだ…。


「なんだ?おまえ…まだヤり足りないのか?顔がスケベなまんまだぜ?」

 ニヤニヤ笑いながらそんな事を言う蒼空のお尻を、僕は軽く抓ってやった。


「んあわぁ!いってててて」
「スケベ顔で悪かったねっ!どーせ僕はヤラレ体質だよっ!
・・・まあ、気持ち良かったし、またヤりたいって気持ちは…あるけど」

 後半は少し気恥ずかしくて尻窄みな話し方になってしまったけど、そんなんでもこれだけ近ければ相手が聞き逃すことはない。


「・・・やるか?第2ラウンド」
「駄目だよ。今日は夕方から仕事。シフトが夜勤になっていたはずだから時間はあるけどさ……あの後どうなったのか、僕らは知らないんだよ?情報収集するのが先……」

そう話している側からスマホから呼び出し音が鳴り響く。


「…噂をすれば、かな?」

ちぇ〜っとか言いながらブツブツ文句をたれている蒼空をベッドに残したまま、僕はスマホを手に取り電話に出た。



『よお☆林原っ。元気に不純性交遊してるかっ?』

 電話の相手は森川店長だった。
声質が声質だけに、某近未来レーシングアニメのおちゃらけ先輩から電話された主人公のような気分にさせられる。


「てんちょおお!朝から何言ってるんですかぁ!僕らは至って健全な・・・」
「しっかり彼女と俺の二股を味わった人間が健全を語っちゃーいけねえなぁ」

「そらああ!横から茶々を入れるんじゃないよ!」
「あ、明美とか言う女も味わってるから3股かぁ☆いよっ、このスケコマシっ☆」
「やかましい!少し黙っててくんないかい?!」

 電話の向こうからけたけたけたっと大声で笑う店長の声が聞こえてきた。


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