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仔犬のすてっぷ

第36章 36章 これから先は・・・


「・・・そういう訳で、林原。お前をコイツラの教育係に任命する。しっかり教えて明日からちゃんと店で働けるようにしてやってくれ」

え…え〜〜っと……(汗)
それ自体はまあ、分かりましたが……。
極一般人のアキラ君はともかく、カリーム君はパチンコなんか分かんないじゃあ?



「二人共パチンコして遊んだ事はあるの?」

とりあえずアルバイトに入った子に聞く質問をこの二人にしてみると


「…ああ、なかなか世話になってるよ。この頃は遊んでないけど、一時はハマった」

アキラの答えは、まあ…よくあるタイプというか…分かりやすいし反応しやすくて助かるんだけど……
問題はもうひとりの方だった。



「パチンコはカジノの一種だと聞いていますが…随分と変わった形で営業しているんですねぇ…
人と対峙しない辺りはスロットマシンと同じ?
一回当たるとどのくらいお金になるのかな?
アニメとかの著作権とか…どうなってるんですか?
って言うか、こんな感じの機械ならうちで新しい面白そうなものが造れると思うし……。
第一にこんな、小さな鉄のたまならいくらでも偽造できちゃうだろうに…セキュリティが甘すぎませんか?」


矢継ぎ早にくる彼のズレた反応に僕は目眩を覚えて思わず遊戯台に手をついてため息を漏らした。


「カリーム…そんくらいにしておいてやれよ。
優希が倒れそうになってんぞ?」
「お約束は嫌いじゃないけどさ、あんまコイツを誂うなよ…お前だって何度もパチンコ屋であそんでるじゃねーか……」

アキラと蒼空が苦笑いしてカリームを見ると、彼は舌をペロッと出しながらほっぺたを掻いた。


「ごめん、優希。ついお約束ごとに夢中になっちゃた。
大丈夫。僕もちゃんと普通に遊んでルールとかは把握しているから」

「いくらお前が童顔で何度も補導されかけたり店員から身分証明書見せてくれってたのまれたりしたからって、優希は関係無いんだからな」

……ああ☆(ぽん☆と手を叩いて)
確かに僕が何も知らないまま彼を店内で見かけたら、そうやって声かけちゃうだろうな(苦笑)


「優希ぃ〜…今、君…頭の中で納得したね?!」


カリームが半泣き顔でむくれているのは初めて見たかもしれない。

なかなか可愛いじゃん(笑)

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