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仔犬のすてっぷ

第36章 36章 これから先は・・・


だいたい一時間ほどで事情聴取は終わって、刑事さんや警察官の皆さんは何事も無かったかのように帰っていった。



「……ふう☆やれやれだな。コレで明日の開店準備が出来る」

 そう言うと森川店長はスマホを懐から取り出し、何処かへ電話を始めた。


「明日からは優希は仕事かあ…残念。もう少し一緒にいられると思ったのになぁ」

頭の後ろに腕を組みそうボヤく蒼空の背中を、森川店長が軽く叩きながらニヤリと笑った。


「何言ってるかは知らんが、お前さんも人ごとじゃねえからな?」

直ぐに電話を切った店長の顔を見てポカンとする蒼空と、何だろう?と首を傾げる僕の背後から2つの懐かしい声がした。


「な〜に黄昏れてんだ。蒼空っ」
「そうですよ?他人事にしちゃいけないですね」

そこにはアスラ○とカ▽ルが……いや、アキラとカリームがにこやかな顔をして立っていた。



「アキラくん、カリーム?!」
「なんだ?!お前らもここに呼ばれたのか?!」

「そういう事。詳しい話は彼…いや、森川店長が話すよ」

アキラが半分苦笑いのような顔でそう話し…森川店長の方を見る。
僕ら二人はそれに習って彼の方を見ると店長がアキラとカリームの肩を叩きながら話を始めた。



「お前たちも知っているだろうがパンドラはしばらくの間休店しなきゃならん。
二〜三日ならともかくしばらくはオーナー不在となるから、責任者がいない店舗は開ける(営業する)ことが出来ない。
その間店舗内の掃除や後片付けをするわけだが、それくらいは向こうにいる他の従業員に任せておけばいい。
お前たち3人は俺が片付け料を出す肩代わりとして、この店で臨時社員として働いてもらうことになった。
もちろん、お前らのオーナーには話してOK は取ってあるし、ちゃ〜んとその分の給料も出るし、寮の部屋も貸す。お前たちは何の心配もなくここで働いてくれ」


「・・・え、え〜っと…それって、つまり、俺達……」

「そーゆーことだ、悪ガキ共っ☆しばらくよろしく頼むぜ?」

 いつの間にか助野主任が彼らの背後に現れ、二メートル近い巨体から伸びたごっつい腕で三人をぎゅむっ!とまとめて抱きかかえながらニヤリと笑った。


何も知らない彼らには怖く感じるんだろうなぁ…あれって(汗)

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