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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第5章 勇者光邦

光邦はジャケット袖で汗を拭うと、ピクピクともがくダイトーロを、苦い表情で見届ける。

「足がいうこときかないし、カマも使い物にならないし、あれもう死ぬわよ」

「あ、あれ見てください」

チョットが示したのは、ダイトーロのお尻の部分だ。

お尻の先が二つに割れ、中から黒いホースのような物が、うねりながら出てきた。

「えええー、あれ、針金虫じゃない、やだ、あんなのも巨大化しているの?」

「あれは、ワイヤームという名の寄生虫です。ダイトーロは、あれに操られてたんですね」

「あれは、人は襲わないの?」

「我々には無害ですが、巨大生物には寄生します」

「なんか、他の虫の気持ちがわかったわ」

「しかし、あの勇敢に立ち向かう姿は、勇者でしたよ」

「やめて、勇者ってガラでもないわよ」









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