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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第6章 トリセンナシ国

超都会のトリセンナシ国は、四つある国の中では、一番広い。

どこに行けば、国王に会えるのだろう?

「チョットは、この国には来たことある?」

「中に入ったのは初めてです。まさか、ここまできらびやかな世界になってるなんて……」

どこをどう見ていいのかわからず、チョットは子供のように周りをキョロキョロとしていた。

「あ、光邦、あそこに運乗車」があります。

「なにそれ? ひょっとしたらタクシーのことを言ってるの?」

「よくわかりません」

「私もわからないわよ」

チョットは手を上げて、1台の車を止めた。

ドアが開き、二人で乗り込むと、チョットが「あの、国王邸まで」と言った。

「だから、やってることがタクシーなのよ」


15分ほどで到着。

目の前には、高層ビルが自分たちを見下ろしていた。

「すごいわね……ターキー国と全然違う」

「確か、この国では同じ建物に大臣と副大臣もいるはずです。いきましょう」

「なんでしょう、別の星にきている感覚が無くなってるわ」

自動ドアが開き、中に入る。まるで高級ホテルのようなエントランスが広がる。

天井は高く、まるでスターウォーズに出る宇宙船のような、シャンデリアが吊らされている。

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