テキストサイズ

この夏、君に溺れた

第7章 もしも許してくれるのなら

レジを打って、お金を受けとると、葉山君は珈琲を渡すまでカウンターで待つ。

「藤沢。今日、バイト何時まで?」

「ごめんなさい。今日は遅いから。」

「いいよ。終わるまで待つから。」

お店でこう言う会話は困るって言ってるのに。

小さなお店で、あまりお客さんが来ない事を知っている葉山君は、シレッと同じ事を繰り返す。


「お待たせ致しました。」

葉山君は、店長から珈琲を受けとると、必ずレジ近くの席へ移動。

私に見えるように、手まで振ってくる。

そこまでくると、さすがの店長も気づく。

「彼氏?」

「いえ。」

全力で否定した。

「そう。相手はかなり本気みたいだけどね。」


見ている回りは、そう言う。

友達の美羽ちゃんだって、そうだ。

「彼、同じ高校の隣のクラスだった人じゃない。いつの間に?」

美羽ちゃんに腕をツンツン、突かれる。

「さあ……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ