蜜と獄 〜甘く壊して〜
第2章 【快楽主義の射精術】
部屋をノックし、扉を開ける。
太客と言われる今日のお客様は、羽振りが良く一番高いコースと私を指名し続けてくれている。
歳はおそらく50代だと思うけど、肉付きが良くぽっちゃり体型の眼鏡でスポーツ刈り。
いつもスーツで来店だからお仕事帰り…なのかな。
私を見た瞬間、満面の笑みで迎えてくれるムッツリさんです。
乳首攻めがとにかく好きみたい。
「リリカちゃん!また来たよ!」
「ありがとうございます、トシユキさん来るの待ってた甲斐ありました」
「あ……名前覚えててくれたんだ」
「あ、すみません……馴れ馴れしかったですね、嬉しくてつい」
「いや、良いんだ、出来ればこれからもそう呼んでくれると嬉しい」
「はい、そうしますね」
隣に座って手を握る。
ソワソワしててそろそろ慣れてくれると嬉しいんだけどな。
顔を近付けて首筋辺りを臭ってみる。
「わ、ごめんね?ちゃんとシャワーは浴びてきたけど此処に来るまでにまた汗掻いちゃった」
「え、シャワー浴びてくださったのにまたスーツをお召に?」
「スーツの方がだらしなく見えないかなって」
握る手の指を絡めたら手汗も凄い。
「いや、汗っかきでごめんね?」
「いいえ、お仕事してきた匂いだからもっと嗅ぎたいくらいです……好きな匂いですよ?」
「そ、そうかな…?」
「嗅いでも良いですか…?もう少しトシユキさんに触れてみたいです」
いつもならハグして固くなるペニスを時間かけて奉仕するコースだけど、もっとフェザータッチ的な触れるか触れないかの曖昧なプレイを楽しみたいと思った。
大好きな乳首も今は封印。
周りだけ攻めてウズウズしてもらおうかな。
ドMだから待てるよね?
「お、俺もリリカちゃん嗅ぎたいな」
「ウフフ、どこ嗅ぎたいですか?」
「え……俺も首筋とか……あと脇とか」
言った後にシマッタ…みたいな顔をして「引かないで」と焦ってる。
「そんなことで引いたりしませんよ?脇…匂いたいって言われたの初めてですけど…ウフフ、恥ずかしいですね」
「リリカちゃんにハグされた時いつもこっそり匂い嗅いでた……いつも凄く良い匂い」