テキストサイズ

蜜と獄 〜甘く壊して〜

第2章 【快楽主義の射精術】






あまり眉間にシワ寄せるとイケオジが台無してすよ?
優しく微笑んで片付けをしていたら、清掃消毒員さんが来て堤さんは出て行った。




「あ、お邪魔でしたか?すみません」




「いえ、接客注意されていただけでしたので助かりました」




私も程なくして出て行こうとしたら清掃員のオジサンに逆にお礼を言われました。




「あなたの使った後はいつも綺麗に纏めてくださっててこちらこそ助かっています、掃除しやすい」




「いえ、助かってるのはこっちです、いつも心地良く使わせて頂いてますので」と頭を下げて出て来た。




着替えてルージュだけ直すといつも駐車場で待たれてる車へ乗せられる。
身体を重ねてからはずっとこんな感じで送迎してくれるようになった。
タクシーで帰れたのに。
他のキャストが勘付かなければ良いけど。




それにしても………重い。




「あの、何か?」




「あ?」




「いえ、怒られてますよね?」




「は?」




何なのこの重い空気。
さっきから溜め息とか舌打ちとか……
やめてほしい。




「言えないなら良いです、今日は自宅に帰ります」




「ダメだ」




「あの、どうしても自分のベットで寝たいんですけど…明日だって朝から」




「用事あるのか?」




「………えぇ、ありますよ、私のこと何だと思ってるんですか」




「明日は先生か……」




いや、先生先生って別に書道家だからってそんな風に呼ばなくても良いですよ。
特に教室開いてるわけでもないし弟子がいるわけでもないので。




明日は色々と打ち合わせが。
10社くらい会社のロゴや社訓を書いてほしいとかCMもたくさんオファー頂いていて。
間に入ってスケジュール管理や仕事の割り振り等担ってくれている方と会う約束をしている。




いつもの分かれ道、当然のように御自分の自宅へ向かわれたのを確認し「降ろしてください」と申し出た。
ダメだ、の一点張りには本気で困り果てる。




「タクシーで帰ります」




こっちも意固地になり、そう言い放つと急に脇道にそれ停車した。
降ろしてくれるんだ…と思いシートベルトを外した瞬間、グッと引き寄せられ唇が重なった。




イライラしてるのが伝わってくる舌の動き。
冷たくて、強引。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ