蜜と獄 〜甘く壊して〜
第2章 【快楽主義の射精術】
あがったらお互いバスローブを着てベットに直行だ。
もはや体力は残されてない。
「のぼせたか?」
うつ伏せで寝たフリなんてさせて貰えなく、そのままセックスは続行される。
バスローブも捲り上げられお尻の方からクンニされてもう訳がわからない。
自分が喘いでいるのかイったのか記憶は曖昧で、寝バックで挿入されて海老反りしたのは何となく覚えてるけど堤さんが射精するまでの記憶は途絶えてる。
どこに出されたのか、朝になったら拭き取られていたのでわからなかった。
あどけない堤さんの寝顔。
ちゃんとバスローブ着せてくれてた。
ずっと腕まくらしてたのですか?
すみません、痛かったですよね。
起き上がろうとしたらまた抱き寄せられる。
「あ………起こしてすみません」
「ん………まだ居て」
「はい……」
枕もとの時計を確認すると朝の5時半でした。
まだ余裕はあったので言われた通り身を潜め合う。
互いから同じ匂いがして少しだけドキドキする。
こんな事滅多にないのに。
「紗衣……」と呼ばれ前髪にキスされた。
起きているなら…と顔を上げる。
「昨日はごめんなさい、寝てしまって」
そう言うとパチッと目が開いて、吸い込まれそうだったので逸らしてしまった。
「俺こそ、がっついた……すまん」
再び目が合ってまた逸らすと
「それでスッピンってヤバいな、ちょっと幼くなって可愛過ぎだろ」なんて言われる。
隠すと手を退けられてじゃれ合う。
時折見える刺青に胸がキュンとなりながら、いつも思う。
私、本当は凄い人とセックスしてるのかも知れないって。
自分では想像も出来ないような闇を持った人と……これは憶測に過ぎないけど。
全てを知るには自分がまだ未熟過ぎると痛感していたから敢えて聞かなかった。
或いは自分から知る必要もないと高を括っていたのかも知れません。
心の奥底での深い関係にならなければ良いと思っていました。
向かい合って、まだトロンとした寝ぼけ眼な堤さんに触れてみる。
顔や胸ではなく、直接下半身に。
朝なのですぐに反応しています。
「紗衣……無理しなくて良いよ」