蜜と獄 〜甘く壊して〜
第4章 【射精管理のループ】
「ハァハァ……紗衣」
いつも最中は心地良いトーンで名前を呼んでくれる。
返事はさせてもらえないほど攻め立てられて何度も絶頂させられるけど。
「なぁ、紗衣……」
痙攣がまだ治まっていないうちからうつ伏せで覆い被さり突き上げてくる。
喘ぐ私に容赦はない。
「ハァハァ……おい、紗衣、聞いてるのか?」
返事出来る訳ないでしょ…!
さっきから何回目なのよ、もう無理。
震える背中にキスを落としてもう一度「紗衣」と甘い声で呼んできた。
突っ伏したまま動けない私の髪を撫でて。
「いい加減お前も俺のこと名前で呼んでくれよ……2人の時くらい良いだろ?」
今更そんな事言われても……
呼んだら呼んだでまた突き上げて絶頂させるんでしょ…?
抜かずに中でどんどん大きくなってる。
黙っていたらグリグリしてるところ攻めてきて結局喘ぐのは私だ。
「呼べよ、俺の名前」
呼んで……欲しいんですね。
でもこれ以上イったらおかしくなっちゃう。
「抜いてください……顔、見たい」
それには素直に従ってくれて仰向けになった私に覆い被さります。
乱れた髪を耳にかけて「呼んで欲しい、その声で」ってキスしてくる。
トロンとした目で見つめていたら短気なあなたは正常位で挿れてくるの。
「あぁっ……んんっ」
「紗衣、まだ締めるな……呼ばれてからイキてぇんだ」
頭がポーッとする。
腕を掴んで身体を震わす。
「紗衣、愛してる」
そう聞こえて私は腰を振ってしまった。
自らピストンしてイこうとした。
イキながら叫びたかった。
「あっ……あっ……いち…たか……さん……ハァハァ……一崇さん……イっちゃう!」
暫く痙攣は止まなかった。
まだイってる途中なのに激しく突き上げてきて己も果てるから。
初めて……名前を呼んだ。
堤 一崇(いちたか)さん、歳は40だと改めて知る。
13歳差だったが今更驚くこともない。
想定内だ。
「何だよ、歳聞いてドン引きしたか?」
え…?
ぐったりしたままで居たら膨れっ面で聞いてきた。
何だか可愛く思えたが体力的に余裕がなくだんまりを決め込んでしまう。
首さえ振れないよ。
バカ……絶倫。