テキストサイズ

蜜と獄 〜甘く壊して〜

第4章 【射精管理のループ】






「またリリカちゃん指名するからね」




その言葉が一番嬉しい。
勝った……今日の自分に。
最後までお見送りして。
腰に回った手が私を抱き寄せる。
そこまではセーフにしてる。
ギュッと抱き返してサヨナラ。




そして見送った後はさっきのボーイさんが待ち構えていて。
一緒に部屋の片付けをしながら清掃員が来るまで談笑した。




「やっぱ敵わないっす、自分ももっと頑張らなきゃってリリカさん見てそう思いました……出過ぎた真似してすみませんでした」




やけに素直に言ってきたから更に笑ってこう言うの。




「あ、フラれた……アハハ、私もまだまだだな、精進します」




お互い頭下げ合って変な光景だからまた笑い合う。
キミが納得して出した答えならそれが正解だと思うよ。
最初はからかってごめん。
性欲処理に充てがってごめんね。




未熟過ぎた私を見逃してくれてありがとう。
同じ過ちは繰り返さない事で償いになれば。




「リリカさんに見合う男になれたらまた話聞いてくれますか?」




「うん、その時まだフリーだったらね」
なんて濁したけど大丈夫だったかな。
清掃員が来たので2人仲良く部屋を出たらまさか見られてたとは気付かなかったの。




別にやましい事をした訳じゃないから問い質されても堂々と言えるけど、この男が黙って言い分など聞いてくれるはずもなく。




自宅に帰り、迎え入れたところですぐ激しく唇を塞がれている。
それはいつもの事だけど。
唇が離れるたびに「あの部屋でボーイと何してたんだ」ってはだけた肩に歯型をつけてくる。




「………っつ」




「俺を怒らせた罰…」




「へ…?あ……っ」





鎖骨にも胸にもキスマークをつけてくる。
「何でもないです」と言っても何も言わなくてもどっちにしろこうされるのは薄々気付いていた。




だからこちらも応戦するのだ。
ボタンを外して剥いで反対側の鎖骨を出して「こっちも」って逆に強請る。
斜め上の対応を心掛けているからたまに
キョトンとされるの。




「もう終わりですか?もっとつけて欲しいのに…」




「紗衣、お前……っ」




「確かめて…?身体の隅々までチェックしてください」




そう言えば完落ちしてくれますか…?








ストーリーメニュー

TOPTOPへ