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蜜と獄 〜甘く壊して〜

第5章 【絶頂地獄の成れの果て】








「新規のお客様です、どうしてもリリカさんを指名したいと」




誰かお客様からの紹介かな?
最近常連様ばかりだから丁度良いかも。
ボーイさんからリストを受け取り目を通す。
「かなりイケメンっすよ、歳も若い」と興奮気味に言うけど、何故イケメンなら他行かないんだと多少興味は失せる。




希望プレイはイチャイチャ、ソフトSM?どっちがSなのかは書いてない。
ボーイさんに次回受け付ける時はもう少し細かく入力してもらうよう頼んだ。




「リリカ、今月トップだぞ、よく頑張ったな」




準備が整った時に堤さんはやって来てそう言った。
トモチンや周りは喜んでくれているが敢えて私は感情を表に出さない。




「そうですか、精進します」と笑みを浮かべるのみだ。
もうスイッチが入っているのだから乱れてはいけない。
己を驕り高ぶってはいけないと考えていた。




「ハァ、リリカさん格好良い」とトモチンに言われても微笑むだけ。
そんな事より新規さまをどう楽しませるかが目の前の課題だ。




「失礼します、ご指名ありがとうございます、リリカです」




見た目は言ってた通りの若いイケメン。
白いTシャツにベージュのセットアップとかお洒落には熟れてる感。
違和感を覚えたのは最初からどうもSっ気があり傲慢な態度だった事。




「ねぇ、リリカちゃんってこのお店でNo.1なんでしょ?どうしても会いたくなっちゃってさ、指名出来て良かったよ」




「ありがとうございます、おしぼりです」




「いや、そんなこと良いからさ、こっち来てよ」




言われるがまま隣に腰を下ろしたらマジマジと見つめられる。




「へぇ、最初からその仮面着けてるの?それでNo.1とか凄いね!あ、顔がわかんないから興奮するとか?」




「さぁ、それはどうでしょう?お客様のお名前聞いても?」




「俺?俺はトモヤ、普段堅い仕事してるからここには息抜きで」




「今日もお仕事だったんですか?」




「ううん、今日はハシゴしてる」




「ハシゴ?」




「うん、俺あんまイケない体質だからさ色んな子に抜いてもらってんの」




あぁ、お店のハシゴか。
風俗店巡りね。
脚を徐々に引っ付けて懐に入っていく。
無理のないごく自然な流れで。
話を聞きながら。






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