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飲み会の後で

第1章 仲良しな上司

仕事が生きがい!なんてふうには思えないし日々の残業も憂鬱だ。
毎日毎日パソコンと睨めっこで視力は下がる一方。休憩のたびに同僚がくれるお菓子をついつい食べてしまうので、人生で最も重たい自分を最近更新してしまった。
嫌なこともたくさんあるけど頑張れるのは係長のお陰だと思う。
私は基本的に石橋を叩きに叩いて、叩きすぎてぶっ壊すタイプだ。対して係長はどんな橋もすたすたと渡っていく。正直怖い。
だが係長の先を見る能力と勘の良さはずば抜けており、飄々と渡り切ってしまうのだ。
自分とは違う行動力の凄さに最初はかなり疲弊したが、今では自分では行けない道を示してくれるような存在だし、何より明るい人懐っこい性格に助けられている。
そんな私たちを見守ってサポートしてくれる課長の存在もある。
課長とはご近所ゆえに課長の家に招かれてご家族と親交もある。というかバーベキュー等におもむろに呼ばれて、面倒臭いと思いつつ通ってるうちに奥さんとも仲良くなった。娘さんと歳が近いとかでめちゃくちゃ可愛がってくれるので私としては第二のお母さんである。

大きな仕事が終わり一息ついてると、みんなで飲みに行こうと誘われた。
課長が言い出すときはだいたい自宅方面の焼肉屋さんに行く。自分の家から近いので臭いがついても良いようにジーンズとパーカーというラフな格好で向かうことにした。
今更私に可愛げだとか礼儀だとか求めてくる2人ではないので完璧に気を抜いた姿である。
自宅方面で飲むと3次会と称して課長の家にお邪魔する流れになってる。第二のお母さんはいつも嫌な顔せず私たちを迎え、そして私と女子トークもしてくれるののが楽しみでお酒が進む。
いっそこの場に来てくれてもいいのに…なんて考えてるうちに飲み会はどんどん進んでいった。

気づけばべろべろに酔っていた課長は、頑なにまだ飲む!と言い張る。
「よし!今日も家に来い!」
そう言って係長の肩を組んで歩き出してしまった。

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